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2015/02/13 優雅さと無造作な仕草

日記

 先週の金曜日に、映画を観に渋谷へ行って来ました。目当てはイメージフォーラムという映画館で上映されているマヤ・デレンの短編作品集で、2/13まで公開していました。ただ、映画のことはまた後日にして、今日は渋谷散策だとか、喫茶店のことなどを書いて見ようかと思います。

 目当ての映画の上映は19:30からで、渋谷に着いたのは16:00を少し回ったくらいでした。これまで渋谷とはあまり縁がなく、一人で初めて行ったのは今年のはじめ。渋谷駅西口から少し歩いたところにあるシネマヴェーラ渋谷という名画座ジョン・フォード「アイアン・ホース」、プレストン・スタージェスレディ・イヴ」の二本立てを観に行ったのが最初です。ただ、その時は時間に余裕がなく、最終2本だったこともあり上映が終わった頃には既に10時過ぎで、終電間際の電車で帰らなくてはなかったこともあって、あまりのんびりすることが出来ませんでした。
 今回のイメージフォーラムは渋谷駅東口から少し歩いたところにある映画館で、シネマコンプレックスなどでは勿論のこと、ほかの単館シアターでもあまり観られないような映画や特集を組んでいる映画館で、古い作品のほか、国内外のインディペンデント映画の上映もときどきやっているようです。席は自由席・入替制で64席と108席の小さなシアターが2つあり、そこで上映をしています。10:30の開館から、全てのプログラムのチケットが予約可能できるとのことだったので、先ずぶらつく前にチケットを買いに行きました。駅からそれほど遠くない場所にあるのですが、方向音痴な私は今回も例によって道に迷い、コンビニエンスストアWi-Fiを拾い、地図を確認しながら40分ほど歩いたところで無事辿り着くことができました。

 チケットを買って外に出たのが17:00で、まだ結構な時間があったので、行く前に少し調べた喫茶店の中から、イメージフォーラムに一番近いところに行ってみることにしました。
 その日行ってきたのは、宮益坂下の飲食店の集まっている大通りから少し小道に入ったところにある、カフェ・ド・モミュという喫茶店です。名前を聞くと凄く今風の、おしゃれな喫茶店といった感じがするのですが、実際にはカフェ、と言うよりは昔の喫茶店のような雰囲気を醸していて、中はそれほど広くなくほとんど一人席でした。時間帯もあって他にお客さんもおらず、途中まで貸し切りのような感じでした。
 店員は坊主頭に眼鏡の男性で、それほど歳も重ねていないな、という印象を受けました。おじさん、と言うよりはまだお兄さん、という呼称が似合っていると思います。最初はなんだか堅い接客だったので、ちょっと緊張してしまったのですが、私のような若い年齢の人を接客しなれていないだけだったのか、注文をしようと声を掛けると、今度はにこにこしながら注文を聞いてくれたので、それからはすっかりリラックスして、店内を見回したり、持ってきたジュール・ヴェルヌの「地底旅行」を繰りながら過ごしていました。
 頼んだのは昔ながらのナポリタン(昔ながらのーも料理名です)で、18:00まではソフトドリンクもセットになるということで、自家焙煎とーる珈琲というのを一緒に頼みました。本当はハムチーズサンドを頼みたかったのですが、まだ親知らずの治療が抜糸まで済んでそれほど経っておらず、あまり固いものを食べるのもよくないかな、ということでナポリタンを。
 

 
(「昔ながらのナポリタン」と「自家焙煎とーる珈琲」)

 昔ながらのナポリタンと言う割にケチャップではなくホールトマトを使っているのか甘ったるくなく酸味が利いていて、どちらかと言うと今風だな、という印象を受けました。でも、輪っかに切られたピーマンやウィンナーソーセージはなんだか懐かしい感じで、このどっちつかずなのに妙にしっくり来る感じがなんとも面白かったです。
 コーヒーは軽口でかくべつ酸味や苦味が利いているわけではありませんでしたが、香りがよく喉を通るときふわっと香りが膨らむのが印象的でした。それほど濃さはありませんでしたがすっきりした飲み口なので、コーヒーそれ自体、と言うよりは食事後の一服として凄く良いコーヒーでした。それから、個人的にとてもいいな、と思ったのがコーヒーと一緒についてくるクッキーで、さして目立つところのない淡白なものなのですが、その分口残りしにくくすっとコーヒーに馴染むのです。私はコーヒーの友にはいつもチョコレートを2つ3つ用意して、それを口の中で溶かしながらコーヒーを飲むのですが、あまり苦味や酸味のないコーヒーには、こういうクッキーのほうが合うみたいです。

 それから18:30ほどまで「地底旅行」を読んで過ごし、それから店を出ました。まだいくらか時間が合ったので、東口から少し歩いたところにある古本チェーンの品をチェックしに行ってみました。
 ただ、残念なことに期待していたほど私の好みの本は置いておらず、結構がっかりさせられました。地下一階から三階までの四階層スペースをとっていることもあって、品揃えはなかなか豊富でとりわけ最新作や流行りの本などはとても多かったのですが、私の守備範囲である文庫の翻訳小説は全体を通して状態が悪く、どれもカバーやページに折り目がついていたり、スレが激しかったりと、読めないことはないにしてもあまりいいものではありませんでした。これは100円本だけではなく定価の六割ほどの値付けをしている棚も同様で、状態にさして違いもありませんでした。ただ、岩波文庫が棚を一つ半占有するくらいに並んでいたりと、品揃えだけは悪くないので、岩波の絶版本などを狙うなら十分にアリではないかと。
 レトロゲームのコーナーも少しばかり確認してみたのですが、私が狙いに行く同系列のチェーンよりも品数も少なく、中身も例によってジーコサッカー、F1サーカス、ファイプロなどスポーツ類が多く目新しさもありませんでした。PlayStation1の品揃えだけはそこそこで、有名タイトルからマイナーアドベンチャーまで手広く揃っていたものの、ファミコンスーファミ、サターン、ドリームキャストはほとんど壊滅的と言っていいくらいでした。唯一目に留まったのがファミリーコンピュータボンバーキング(ハドソン)で、これはゲームミュージック・ファンの方や高橋名人つながりで知っている方も多いのではないでしょうか。値段は350円とお買い得というほどではありませんでしたが、状態もよくそれほど見かけない作品なので、買おうか少しばかり迷わされました。ただ、その時には既に19:00近くなっていて、迷う暇もなかったので、そのまま大人しく映画館に向かいました。ーーー


 さて、それではこのくらいにしておきましょうか。
 観た映画は非常にやっかいな作品で、あまり上手く書けそうにないので、今回はやめておきます。とても際立つところの多い、魅力的な作品ではあったのですけどね。もし機会と勇気に恵まれたら、後日書いてみようかと思います。

 それにしても結構久々な日記だったので、なかなか書くのに難儀させられました。ここのところずっと日記を書こうとキーボードを叩いては言葉を散らし、結局消去してしまうばかりだったので、ちょっとホッとさせられたようなところがあります。ほんとうはもっと、いろんな事を書きたいのに、うまくいかないものですね。