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2015/12/21-1 内部から汚れがやってくるんだよ

 昨日、布団に入ったのは確か2時くらいだったと思う。予定よりは遅くなったけれど、それでも朝に近くなるほどは起きていなかった。布団から出たのは14時近くなってからだった。深い眠りに入れないまま1,2時間おきに目を覚ましてはまた寝る、ということを繰り返しているうちに、こんな時間になってしまったのだ。

 今日は朝から夕方までかけて近所の喫茶店を2,3回ろうと考えていたのだけれども、時計の14時という時刻を認めるとすっかり気分は落ち込んでしまって、もう今日は何もできやしない、というような気分になっていた。しかし2週間前に買ったコーヒー豆はほとんどなくなっていて、この後の朝食(この時間帯ではもう、朝食とは言わないのかもしれないけれど)のあとの分さえ足りないくらいだったから、喫茶店に行かないにしてもコーヒー豆を買いに出なくちゃならないことに気づいた。どうせ買いに出なくちゃならないなら、喫茶店でなくとも、適当にぶらついて楽しむのがいい……と言い聞かせて、なんとか布団から出た。
 パソコンを起動して新しい記事に目を通しながら昨日の残り物のメンチカツを2つ食べて腹の鳴りを抑えた……といってもぐるぐると言わなくなっただけで、ほとんど満たされなかった。それからしばらくなにをするわけでもなく時間を潰して、気が向いてきたところで出かける準備をした。

 外に出たのは確か3時半過ぎくらいだった。もうそれなりに日は傾いてきていて、もうすぐ一日が終わるのだなといった雰囲気があった。駅に向かう時の通りから一本それた歩道の狭い通りを歩きながら、目当てだった喫茶店が開いているか確かめた。ビルは外装工事中で足場が組まれていて、なんだか不格好だった。
 とりあえずはコーヒー豆を買いに行くことにして、その喫茶店の前を通り過ぎて線路の向こう側に出た。先週の火曜・水曜に行ったときは両方とも定休日で無駄足を踏んだけれど今度はちゃんとやっていた。いつもの焙煎したてのコーヒー豆の香りがしていた(ちょうどこの店は駅から風上にあって、冬場の風の強い日なんかは数十メートル離れた駅前のバス・ロータリーを歩いていても『あ、やっているな』と分かるくらいはっきりとコーヒー豆の匂いがする。私はそれがたまらなく好きで、この匂いを嗅ぎながら散歩をしたいがために、わざわざ駅の反対側まで来てぶらついたりもしていた)

 コーヒー豆は空いていて、その日の予備や電話注文を受けた豆の袋は10ほどしかなかった。多分来週が今年の最終週でセールだとか、ハズレなしのクジを引けるから、ちょうど客の来ない時期だったのだと思う。自分はわざわざセール日を選んで買いに行くようなことをしない――というのは、それがみみっちいからとか、格好が悪いからとか、そういうわけではなくて――ただ、そういう細かいことを気にせずに自分が必要だと思う時に必要な分だけ買ったほうが結果的には安上がりだから、そうするのだ。
例えば、2日後に割引日があって200gで1200円の豆が3割引きの840円で買えるとしても、その割引日までの2日間のコーヒーを喫茶店の200円のコーヒーで済ませようとしたら安上がりどころかむしろ高く付いてしまうし、安いインスタントコーヒーじゃ充分にコーヒーを味わえない。それなら打算的な考えは捨てていつもの通りコーヒー豆を買いに行き、“普通”という名の贅沢を味わうのが一番いいんじゃないかって、私は思う。



 豆を買った後は、とにかく風が冷たいということと、あの喫茶店に行くことしか考えていなかった。とにかくあの喫茶店にさえ行けば今日という日をいい日だったと思えるだろうな、と考えていた。