読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

2015/09/11 三人娘の声を背にし

 久々に同級生以外の知り合いと顔を合わせてきました。話をしに行ったのは、5月に記事を書いたIさんで、ちょっとお互い予定が立て込んでいて上手く予定を合わせられなかったのですけれど、当日になんとかなりそう、ということで、15時頃に渋谷で待ち合わせを。

 私の方は11時には既に渋谷にいたのですけれど、シネマヴェーラ渋谷で古典洋画の特集上映がやっていて、その日はずっと観たいと思っていた「三つ数えろ(The Big Sleep)」とDVD・劇場非公開だった「桃色の馬に乗れ(Ride The Pink Horse)」の2本立てがかかっていたので、それを観に行っていました。乗るはずだった電車を逃して1本後の電車に乗ったのですけれど、コンビニでコーヒーとクルミ入りのパンを大急ぎで買って汗びっしょりで劇場についた時、ちょうどフィリップ・マーロウ役のハンフリー・ボガートローレン・バコールに「あなた、ワイシャツが汗でびっしょりだわ」なんて言うシーンが流れていたので、思わず笑ってしまいました。

 2本目の「桃色の馬に乗れ」の上映は、残り30分ほどというところでどうしても我慢できなくなってトイレに行き、劇場に入り直した後は席につかずに最後列の席の後ろで立ったまま残りを見ました。それからすぐに荷物をとって外に出ると、パンを買ったコンビニからWi-Fiを拾って、彼女からの待ち合わせ場所指定のメッセージを確認して、それから指定の場所に向かいました。三菱グループの支店のあるビルの下で待っているとのことだったのですけれど、渋谷駅西口は東急百貨店本店の通りのビルとハチ公前広場から道路を挟んだ向かい側のビルの2つあったらしく、10分ほど違うビルの方に行ってしまうヘマを。それでもなんとか無事、待ち合わせることができました。

 前日までずっと会えるか会えないかとメッセージで騒いでいたような調子だったので、とにかく待ち合わせることしか頭になく、待ち合わせてからようやく「さて、どうしようか」と話し合うことに。5月の末頃に会った時も大分無計画で、もうちょっといろいろ考えておいたほうが良かったかも知れない、なんて考えていた記憶があるのですけれど、結局この日もそんな調子でした。

 とりあえず向こうの希望でセンター街のブックオフに行って、洋書漁りを。海外の文学やSFを主食にしている割に洋書コーナーにはあまり縁がなく、ちゃんと見てまわったのは今回が始めてだったのですが、新鮮で面白かったです。私の中ではサリンジャーやフォークナーにオースター、ヴォネガットなんかが並んでいるのだろうと漠然と思っていたのですけれど実際はもっと雑然としていて、大衆小説、文学、SF、ノベライズ、日本漫画の英語翻訳版などがごった煮になっているような状態でした。点数が少ないので、索引も出版社別や著者名別ではなく作品名順になっているので、何か探すにも結構な手間が掛かりました。
 彼女の方はアメコミを探していたので一緒に見て回りながら、ついでに目についたのを引っ張りだしてめくったりしていたのですけれど、その中に薄いペーパーバックのSF系の漫画雑誌がありました。表紙にたしか「MANGO」とかそんな感じのタイトルが書いてあった気がするのですけれど、覚えていません。ただ、中には日本の漫画家の読み切り漫画やイラストが載っていて、その中に「AKIRA」の大友克洋氏のイラストも掲載されていました。日本の漫画というとNARUTOだとかONE PIECEのような週刊連載の漫画を想像することがが多いですけれど、こうした技術嗜好の漫画も一部の人にはちゃんと読まれているんだなあ、なんて思ったり。彼女の方は「RIDDICK」という映画のノベライズを見つけて、それを買うことに。「表紙のヴィン・ディーゼルが艶々ね」と嬉しそうに話してくれました。私はアクション映画はほとんど観ていないので、ヴィン・ディーゼルという名前も知らずあまり良い返事はしてあげられなかったのですけれど。でも、かなり有名な映画に出ている俳優みたいですね。

 普通の翻訳なしのアメコミ原書も多かったですけれど、イラスト集のコーナーに行ってみると、欧州の漫画家の作品を集めた雑誌なんかも置いてありました。中にはルネ・ラルーの映画みたいな不気味なイラストが載っていたり、「スヌーピー」や「しわ」のようなフラットな絵柄のイラストもありました。私も随分前に近所の古本チェーンでアメコミ新潮から出ている邦訳版「X-MEN」を安く買ったりしましたけれど、やっぱり大きな店舗だとこういう他じゃまず見かけないようなものもたくさんありました。

f:id:nhermann:20150915015259j:plain:w600
(アメコミ新潮から出ていたX-MEN
後ろの巻はあまり部数が出まわらなかったらしく古本でも結構いい値がつくみたいです)

 彼女が会計を済ませたあと、少しだけ私も文庫のコーナーを見させてもらうことにして、パパっとハヤカワ、創元の棚や漁っている日本の作家の名前を探させてもらって、その中からダシール・ハメットの「マルタの鷹」の新訳改訂版を買うことにしました。本当は今日観た「三つ数えろ」の原作である、チャンドラーの「大いなる眠り」が欲しかったのですけれど、残念ながら「長いお別れ」と「さらば愛しき女よ」があるのみでした。