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新宿 珈琲家・吾郎

喫茶店 映画

2015/06/03

 6月に入ってまたいくらか財布にお金が入ったので、映画を二本、観て来ました。

 昼間いっぱい使っての外出だったのですが、のんびりしているうちに一本目の上映の回に間に合うか微妙な時間になってしまい、一本目は間に合うかどうか、というところでした。それでも、間に合わなければ新宿御苑でも歩きに行こうかなんてのほほんとしているところもあったのですけどね。

 一本目は、全国のシネコンで開催している午前十時の映画祭で、その時は「シェルブールの雨傘」がかかっていました。もともとは大宮のシネコンでもっと早く観に行く予定だったのですけれど、財布と相談しているうちにこんな時期にまで延びてしまいました。
 新宿三丁目駅を出た時点で既に10時5分前というくらいまで差し掛かっていて、上映時間には間に合わないだろうと思ったのですが、途中から入れてくれるかだけでも聞きに行こうと思い、行ったところ10分遅れで入れてもらえたので、先ずは一本。

 その後の一本も指定・完全入替制の劇場だったので、先にチケットだけ確保して、それから三丁目をぶらつきながら、良い喫茶店はないか探して回りました。

 その日行ったのは三丁目のビジネス区画の一歩手前の小道にある吾郎という喫茶店でした。
 サイフォンコーヒーをメインに淹れているお店で、看板にも大きくそう書かれていました。看板や入り口付近はなかなかお洒落で比較的小綺麗だったので、案外そんなに古いお店でもないのかもしれないと思ったのですが、中に入ると、2000年以前の喫茶店のような内観になっていました。
 
 ちょうどお昼時だったこともあって、腹ごしらえや喫煙目的のサラリーマンが5,6人ほどいて、それぞれ常連さんらしい雰囲気を醸していました。久々の休みということで大分軽い格好だったので、大分場違いな感じになっていて、どぎまぎさせられました。……とは言っても、まったくの若者お断りという調子ではなく、店主の男性も特に気にしないというふうにのんびりしていましたのですけどね。
 サラリーマンに挟まれて二人席に座るのもなんだか気まずいな、と思われたので、大人しくカウンター席の端っこから二番目に座りました。

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(吾郎ブレンド、490円)

 コーヒーは、先に書いたとおりサイフォンがメインだったのですが、個人経営の喫茶店としては珍しくエスプレッソ系も扱っていて、エスプレッソマシンがキッチンに並べられていました。他にもランチメニューや軽食類もあったのですが、流石に新宿価格で、割に合わない値段だとまでは思わないにしても、厳しい価格だったので、大人しくコーヒーだけ注文しました。

 サイフォンコーヒーを飲むのは今回が初めて、だと思っていたのですが、去年に行った神楽坂のフォンテーヌという喫茶店のコーヒーと風味がよく似ていたので、もしかするとそこもサイフォンでコーヒーを淹れていたのかもしれません。一般的にはハンドドリップと特段違いはないというふうに言われていますが、個人的には結構違うな、と思っています。沸騰した湯を直接コーヒーの粉に浸からせて抽出する分ハンドドリップよりも断然風味が強くなりますし、舌に残る感覚も、ハンドドリップと比べると強めに感じられます。ハンドドリップで粉の量を多くするとか、一投目で抽出を終わらせて濃い部分だけを飲む、だとかするともっと似通ってくるのかもしれませんけどね。
 味はよく見られる酸味主体のブレンドで、濃さも相まってコーヒーだけでも十分満足できるものになっていました。サイフォンの抽出器だけじゃなくカップの方もかなり年季が入っている様で、飲み終わったカップに、はっきりとコーヒーの茶色い跡が残っていて、長い時間の経過を感じさせられました。

 アシモフのエッセイを50ページほど繰ったところで13時近くなり他のお客さんが出始めたので、それに合わせて出ることにしました。会計は娘さんと思しき女性がやっていて、店主の男性よりもいくらか柔らかい物腰で、なんだか素敵でした。

 喫茶店を出てからも、次の映画までまだ1時間近くあったので、山手線新宿駅東口の通りの古本チェーンで古本を漁りに行ってきました。アシモフの絶版短篇集だとか、先日観た映画「ペーパームーン」の絶版原作本なんかがあったので手早く買って20分ほど余裕を持って劇場に向かいました。


 二本目は新宿武蔵野館のギリアム新作「ゼロの未来」を。私がチケットを取った頃はまだ席もがらがらだったので、もしかするとあんまり人が入っていないのかもしれないなんて思ったりしたのですが、開場になるとすっかり満員になっていました。

 観終わった今の感想としては、ギリアム的な映像もいくらか際立っていたものの、過去のギリアムの監督したSF作品と比べると精彩に欠ける、といった印象を受けました。
作りたい映像、課題というのは未来世紀ブラジルや感想記事を書いた12モンキーズなんかとそれほど変わっていないように感じましたが、それらと比べると、割と普遍的な部分に落としこんでいていくらか見やすかったものの、ブラジルや12モンキーズのような理性と非理性両方に訴えかけてくるような真実味にはいくらか欠けるかな、と思わされました。決して出来の悪い作品ではないのですが、佳作以上傑作未満というのが私の素直な感想です。

 しかしながら、これのおかげで改めてギリアムの未鑑賞の作品に興味が湧いたのも事実で、これを機にギリアム作品及びカルト系SF作品をもっと掘り下げなくては、という意志を固めることができました。
 来週は映画に行く余裕はなさそうですけれど、引き続きゆっくり幅を広げていこうと思います。