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2015/05/27 ニューヨークで一番の道楽ものでね

2015/05/27

 渋谷に出掛けてきました。私が渋谷に行く、というと大体は映画か喫茶店が目当てなのですが、今日は人に会うために。
 
 Iさんとの待ち合わせは11時にハチ公前広場で。1時間あれば十分だろう、と思い10時に家を出たのですが、とくに電車の待ち時間や徒歩移動を考慮していなかったせいか、目当ての路線の始発に乗ったのが30分過ぎで、それから慣れない出口から地上に出たためにしばらくうろうろしたりして、実際に落ち合ったのは20分過ぎくらいだったかと思います。本来は待たせる側ではなく待つ側であるべきなのですけれど……、なんだか間抜けなことに。
でも、さして嫌な顔もせずに声をかけていただけたので助かりました。

 顔を合わせられた頃には既に12時まで数十分といったところだったので、先ずは食事をとりに。
 とくに大して何をしようなどと予定を立ててはいなかったのですが、食事だけはTGIフライデーズで摂りたい、との提案が先にあったのでそちらに。

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(入り口に飾られたEasy Rider(1969)のポスター)

 フライデーズはアメリカ色の強いハンバーガー・レストランで、タコスやハンバーガー、それから大きな肉ののったサラダなんかがメインのようでした。
 周りを見てみると入り口にはスター・ウォーズイージーライダーのポスターが。中に入るとレオ・スピードワゴンだとか80年代のアーティストのCDカバー・アートが壁にずらっと貼られていて、他にも私たちが座った座席の近くには、フットルースのポスターが。

 あまり脂物の得意でない私は、普段にない映画的な雰囲気を醸す店内に興奮させられる一方で、こんな脂っ気のつよい食べ物を胃が受け容れてくれるかいくらか不安になっていました。とかく注文しておいて残すような真似はしたくなかったので極力野菜類の多そうなものを。でも、男性としての矜恃もあったので「高校生だとかだとこれを頼む……」という勧めは受けずに、肉がチキンで食べやすそうだったタコスと、ジンジャー・エールを注文しました。

 先ず最初に驚いたのはドリンクのサイズで、よく日本のファストフード店のドリンクはアメリカよりも小さいなんて話を聞きますが、これを見て、ああ本当の話だったのだな、と思わされました。大きなグラスに注がれたジンジャー・エールは500ml近い量で、これを飲むだけでもお腹がちゃぷちゃぷいいそうでした。その次に出てきたセットのスープはまともなサイズで、近所の喫茶店のランチメニューのボリュームのあるランチのセットスープよりいくらか小さいくらいだったのでいくらか安心しました。それから十五分ほどして出てきたタコスも、やはり大きかったものの、Iさんが頼んだチーズとハンバーグがどっしりのったハンバーガーに比べると脂っ気はなく軽めだったので、まあ食べられないことはないだろう、という感じでした。

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(ユカタンチキン・タコスとジンジャー・エール、1200円)

 味の方も、アメリカナイズされた辛味や塩味のきつい味なのかとおもいきや、チキンよりも野菜がメインであっさりしていてとても食べやすかったです。個人的に驚かされたのが、具にオレンジ系の果実が入っていることで、これがなんとも不思議な酸味を醸していて、なんだか面白く感じました。朝食が遅かったこともあってひとつ食べ終わったころには既にお腹に溜まった感じがありましたが、普段食べない新鮮な味だったこともあって、すぐにふたつめに飛びつきました。食べ慣れていないこともあって汁や具がときどきにこぼれてきて、大分はしたない食べ方になっていたかと思うのですが、食べ終わった頃には満足感でいっぱいになっていて、べたべたになった手だとかも、それほど気になりませんでした。

 タコスをむしゃむしゃやっている時に、不意に一昨日観た「俺たちに明日はない」の、フェイ・ダナウェイウォーレン・ベイティが仲間たちと一緒にげらげら笑いながらハンバーガーを食べているシーンだとか、「卒業」でダスティン・ホフマンキャサリン・ロスが車内でハンバーガーを食べるシーンを思い出しました。どの映画も大分品のない食べ方をしているのですが、不思議ときたならしい感じはなくて、むしろその豪快な食べ方にむしろある種のスマートささえ感じます。きっとその時タコスを食べている私はウォーレン・ベイティでもダスティン・ホフマンでもなかったでしょうけれど、なんだか映画の中に入り込んだような高揚感がありました。
 そういえば今書いていてなんとなく思ったことなのですけれど、ハンバーガーと映画と言うと、ジョン・トラボルタは、よく映画でハンバーガーを食べているような気がします。「パルプ・フィクション」「グリース」「サタデー・ナイト・フィーバー」……彼にはハンバーガーを引き寄せるなにかがあるのでしょうか?……


 最後にトウモロコシのチップスとスープを処理しにかかりながら、お互いの第一印象のことだとか、これからどうするかだとかを話しました。
私の中でのIさんは、ブラック・ラグーンのレヴィとベヨネッタを混ぜたような感じという漠然とした非現実的なイメージはあったのですが、それほど相手の性別やら印象などを気にしないたちでもあったので、それほど変わった印象は持ちませんでした。彼女の方もそれほど印象と変わらないという風に言ってくれたので、そこで大分安心させられました。自分を自分以上によく思われることほど大変なことって中々ないですからね……。彼女とこうして対面するまでの流れがそれまでの方々とは結構違うところも多く戸惑ったところも少なくなかったのですが、この時、それほど気張る必要もないんだな、と、ふしぎに肩の力を抜くことができました。


 スープもタコスもチップスも食べきったのですが、ジンジャー・エールだけは、どうしても飲みきれませんでした。ジュース類が砂糖の塊に見えてしまう私には、これを飲んだらいったいどれくらいの砂糖の量を摂取することになるかと考えるだけで嫌でしたし、冷えたジュースをこれ以上飲むと、お腹の具合にもよろしくないように思われましたから。

 フライデーズを出たのは確か14時頃。ちょうど一番暑くなってきた時分でした――