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映画「ピンポン」

映画

映画「ピンポン」
監督:曽利文彦
原作:松本大洋 脚本:工藤官九郎
出演:窪塚洋介(ペコ)ARATA(スマイル)中村獅童(ドラゴン)

卓球に愛を注ぐ主人公ペコと、ペコの誘いによって卓球を始め才能を開花させたスマイルの二人を軸に、卓球に青春を賭けた高校生たちを描いたスポーツ映画。


 映画を本格的に見始めてから、八ヶ月ほどが経ち、本当に久々にちゃんとした形で観た邦画。「映画と言えば洋画」と言う固定観念のある自分は、興味こそあれそれほど期待値は高くなかった。
見終えた後の感想は、いい意味で裏切られたなと言った感じで、洋画のような強いメッセージ性や圧倒的な雰囲気こそないものの、奇抜なキャラクターと同国人として明確に伝わってくる感情表現など、自分の中に綺麗に落とし込んでくれた作品だった。
 原作漫画は読んでいないが、卓球経験者(とは言っても、学校内活動で少々、といった程度ではあるが)のため、時々に出てくる卓球に関するネタや競技中の演出をそのまま感覚的に理解できたから、と言うのも大きいかも知れない。ただ、卓球と言うスポーツを知っている人しか頷けないようなシーンは極めて少なく、理詰めで臨場感溢れる卓球を映したと言うよりは、強烈なキャラクターとその人物描写を上手く切り取って、最終的な卓球の部分は、専門用語などは皆無で、頭より感覚的な部分に訴えかけて来る感じに仕上がっていた。
特に現実世界らしからぬ型にはまらないキャラクターたちが非常に魅力的で、どこか学生らしくない胡散臭さとフィクション臭さを残しつつ、残りの半分を演技力で巧みに補完していて、そのままの目でそれぞれの人物像を味わうことが出来た。
一般的なイメージとは異なり、卓球が非常にハード且つ体を使う、超人的なパフォーマンスを魅せてくれるスポーツであることは経験者である自分でもよく分かっていたし、世界大会などの映像を見て興奮させられたこともあったが、この映画でも、その興奮を味わうことが出来たと思う。特に、この映画最大の目玉であるペコ対ドラゴンの試合はかなりエキサイト出来るものになっており、何かしらのVFX処理が加えられているんだろうと思いつつ、本当のスーパープレイヤー同士の試合のような感覚で見入ってしまった。

 余談として、一部では高い評価と人気を得ているSUPERCARの楽曲も素晴らしかった。デジタルな音と肉体的な映像がミスマッチなようで、とても具合よく合致しており、視覚には反映されない精神高揚をこうした音楽で綺麗に支えてくれていた。SUPERCARの楽曲にも注目したい。