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自由を説く事と自由である事は別だ、

映画


映画「イージー・ライダー
監督:デニス・ホッパー
脚本:デニス・ホッパーピーター・フォンダ
出演:ピーター・フォンダ(ワイアット) デニス・ホッパー(ビリー) ジャック・ニコルソン(ジョージ・ハンセン)

1960年代に起こった社会現象やムーブメントを題材として、ドラッグ密輸によって大金を獲得した二人のライダーの自由を追い求める旅を描いたアメリカ映画。


 あらゆる面に於いて、自分を圧倒する映画だった。
見終わった後の余韻や、自身に訴えかけてくるメッセージは、先月見たジム・ジャームッシュ「デッドマン」に近かったように思う。ただ、「デッドマン」の非現実的な世界観に対して、こちらは一貫して60年代のユース・カルチャーを映し出すことに徹底しており、二人の主人公の旅も「謝肉祭」という最終目的を持ちつつも、脈絡なく、行き当たりばったりに進んでいく。ヒッピー、社会美化活動による取締り、非合法ドラッグ、娼婦との交わり……。
この二人は、自由人と言うキャラクターと言うよりは、そうした文化の象徴のような、抽象的な存在であるように思った。映画ファンに衝撃を与えた唐突且つ圧倒的な最後も、そうした文化の終末と考えると、しっくり来る。

 この映画は、名フレーズと名場面の宝庫で、抜きん出て「これが一番だ、」と言ってしまえない部分があるが、私個人として特に印象に残っているのが、ドラッグ服用後に、カトリック教会の女神像でワイアットがすすり泣くワンシーン。
 私はアメリカ人でもなければ当時を知る世代でもないので、この映画の全てを堪能することは出来なかっただろうと思うが、数々の名シーンと、現代の若者さえも圧倒する二人の主人公の姿が、その魅力の断片を私に見せてくれたように思う。