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映画:ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間

映画

監督:ピーター・ジャクソン
脚本:フラン・ウォルシュ、フィリパ・ボウエン
原作:J・R・R・トールキン

遥か昔に生み出された、世界を滅ぼす魔力を持った指輪と、それを手にし世界を支配せんとする闇の冥王サウロン率いる闇の軍団と、それを阻むべくして立ち上がったホビット族の青年たちと、エルフ、人間、ドワーフたちとを描いたファンタジー小説指輪物語」を原作とする実写映画。

通っていたレンタルビデオ店が珍しくレンタルセールなんてのをやっていたために、「普段とは趣を変えて、これでもかとばかりに非現実的な、夢見るような有名な映画を借りてみよう」と思い立ち、観るに至った。

原作「指輪物語」が世界的にも著名な作品であり、日本にも熱心なファンが在るということは以前から聞いていたため、内容に関しての不安と言うのはなく、観た上での感動もそれに見合うものだった。

原作小説を読んでいないために、あそこの言い回しはどうだとか、脚本家たちの言い回しは、だとかは書けないのだが、一、映画初心者としては非常に楽しめるもので、ファンタジー嗜好こそ持っていなかったものの、中々感動させられた。
ファンタジー(指輪物語の場合には、ハイ・ファンタジーと言う方が適切だろうか?)が一大ジャンルとして確立する前に執筆された物語と言う事もあって、物語も王道中の王道で、「ここは恐らく原作のファンのための言い回しなのだろう」と思われるような言い回しなどは場面場面に観られたが、大筋はホビットを中心として悪の冥王サウロンを指輪と共に葬る、という分かり易い物語で、原作を読んでいないからどう、ということはなかった。
00年代初期の作品ということで、当時の最新のコンピュータ・グラフィック・テクノロジーを多分に使用して作られたと思われる情景やオークたちの姿も、ある時は美麗に、ある時はひどく不潔に、といった感じで、非現実を基調としながらも、中世的な雰囲気と現実に見られる感覚を刺激するグラフィックで、時々に感心させられる。特に、広い荒野を一列に並び歩いてゆく9人の戦士たちを描いたシーンは素晴らしく、魅入られた。多用される独自の用語や場所の名称は、ファンタジーについての見識が無いと言ってもいいくらいに浅い私には少々状況把握に手間取ったが、逐一用語について頭を巡らせずとも、特に問題はなかったかも知れない。

私が個人的に気に入っている登場人物はサム(原作小説では、サムワイズと呼ばれているようだ)で、彼の主人公フロドに対して内に抱いている忠誠心と友情には度々感動させられる。とは言っても、当初私はこのサムがフロドの家の下男の庭師である事を知らずに、「なぜ彼は友だちに対して、こんなにも真面目くさった言葉をつかうのだろう?」なんて間抜けな事を考えていたのだけれども。
それでもやはり、フロドとサムの間にある絆を描いた場面場面は素晴らしく、特にこの第一幕である「旅の仲間」の最終盤でのサムとフロドの描写は特に感動させられる。

他に私が気に入っているのは、人間の戦士ボロミアがオークと戦うシーン(実際には戦うシーンではなく、その”後”のシーンなのだが、ネタばれの回避のためこう書いている)。本当はここについても詳しく掘り下げたいのだが、折角の名シーンをネタばれで汚す訳にもいかないため、書くのは止そう。

この映画「ロード・オブ・ザ・リング」は三部作とされており、一作の映画としての評価は未だ偉そうに書く事が出来ないが、現段階では非常に面白いものだった。
あまり間を空けずに次作を借りて来ようと思う。