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今の世の中は腐敗しきっている。僕は人間と交際を絶ってしまうのだ。

先月末から天気に恵まれませんね。
毎日すっきりしないぼんやりとした雰囲気に包まれて息苦しく感じます。時々太陽が出てきたと思えばまた曇り、曇り、雨。
梅雨という季節ですから仕方ないことではあるのですが、こうも毎日曇りでは…。一日くらい快く晴れてくれたっていいじゃないか・・・なんて愚痴を言っています。


仕方なくじめじめした部屋でいくらか本を読んだのでその事を書こうかと思います。

戯曲、大衆小説、仏文学と特にそれぞれ関連性はありません。本棚に並んでいた積読本から適当に抜き出して読みました。

個人的に一番楽しんで読めたのは「人間ぎらい」でしょうか。私が今までに読んだ戯曲の中でも特に面白いと感じましたね。上流社会のうそをついたり不正をする人間を忌み嫌う青年・アルセストが未亡人の女性に恋をする…という話です。
私が一番魅力的だと思ったのは、主人公が凄く個性的なところです。上面だけのお世辞やうそを嫌い、友人が当たり障りない評価を下した詩を酷評したり、上辺だけの会話をする侯爵に暴言を浴びせたりと、偏屈に見えるほどの実直さをもつ一方で、忌み嫌う上流社会の女性に夢中になってしまう滑稽さも持ち合わせていて、その実直さと滑稽さに沢山の面白味が詰まっているのです。
特に主人公から出る台詞がどれも秀逸で、喜劇でありながら、読み終わった後に「ううむ」と考え込んでしまいます。


"世間の事はなにもかも陰謀ばかりだ。欲得ずくめだ。今じゃ立ち回る者ばかりが、勝ちを占める世の中で、じっさい人間はなんとかならなければいけないのだ。しかし、人間のやり口が公平でないから、君が社会から離れたいというのは、どうも我が意を得ないな。人間にそういう欠点があればこそ、我々はこの世の中に生きていて、我々の哲学を練る道が見出せるのだ。そしてまたそこに、人間道徳のいちばん立派な運用があるのだ。"
"今の世の中は腐敗しきっている。僕は人間と交際を絶ってしまうのだ。"
"人間は恋を抑える力はもっていない。恋心というものは、どんな場合にも、人手を借りずに芽ぐむものです。人の心の中には、どんなことがあっても、力ずくなんかで立ち入られるものなんかじゃないんです。どんな人の心にも、恋人を恋人という自由があるんです。"
"それはそうかも知れません。人の心は見えるものじゃありませんからね、しかし、それにしても、そんなことを僕に考えさせて下さるなんて、御親切がすぎて御親切がないも同じじゃないでしょうかね。"


…どうも上手く書き表すことが出来ません。この続き、「夜間飛行」はまた少し間を空けて書こうかと思います。